ちょっとコラム

面倒くさいは宝箱

一番近くのバス停は歩いて15分。
バスは1時間半に1本で最終は16時。
そんな親戚の家へ行くときはいつもクルマです。

「梅干しとか野菜とか渡したいから近いうちにおいで」

呼び出しはいつも突然です。
しかし、その日は家族が使っているのでクルマがない。
しかたなく、電車とバスを乗り換え親戚の家へ行くことに。

電車の最寄り駅まで歩きます。

「こんな路地裏におしゃれなレストランがあったのか」
「おぉ、この公園は子供の頃に来たことがあるぞ」

いろんな発見があり、少しワクワクしてきました。

電車を降りてバス停へ。
時刻表を見ると次のバスまで1時間。
せっかくなので駅裏のスーパーへ行くことに。

「こんなスーパーはわざわざじゃないと来ないな」

記念に大好きなおにぎりせんべいを買いました。

バス停へ戻るとちょうどバスが来ました。
可愛らしい小さめのサイズのバスには買い物帰りのお年寄りの方が乗っていました。
しばらくするると乗客の1人が運転手に話しかけました。

「ここで降りるから」
「ここでいいの?家まで歩けるの?気をつけて降りてね」と運転手さん。
「うん、大丈夫大丈夫」

私が住む福岡市では見かけない光景です。
それから私は「バス停」でバスを降り、家まで歩きました。

クルマで通る時には気づかない花、鳥の声、風のにおい。
いつの間にか気持ちが面倒くさいから楽しいに変わっていました。

方法やスピードを変えるだけで見えるものは変わります。
結局、受け入れる自分次第なんですね。

日本高速情報センター協同組合 代表理事 草野 崇

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