ちょっとコラム

濡れたハンカチ

3月になると引越しのため道路に多くのトラックが止まります。
先日、近くに止まっていたトラックを見て私はちょっと前の出来事を思い出しました。

友人一家が引っ越して行った時のことです。

私の住んでいる地域は転勤族が多く、
息子の同級生も進級時に約半数は引越してしまいます。

そんな環境の中でこの地域の母親たちは特殊なコミュニティを作っています。
コミュニティといっても昔で言う「長屋の井戸端会議」。
それぞれが転勤で寂しい思いをしているのでまわりを気遣うようになっているのでしょう。

「あの人も自分のように寂しいのかもしれない」

通常、仲良しが集まるコミュニティはつい表面的な関係になりがちです。
しかし、この「長屋の井戸端会議」コミュニティは近所の子どもを叱ったりするし
誰かが病気で倒れた時も子どもたちを外に連れ出してくれたりする。

その中の一人が引越し。

近所の集会所を貸し切ってお別れ会をすることになったのですが
どこからともなく人が集まって最終的には20家族くらいになりました。
子どもを含めると相当な人数です。

引越し当日。

みんなわかっていたことだけれども気持ちを抑えきれません。
引越していく家族が車に乗り、いよいよ出発です。
すると、見送る側がお礼を言っています。

「ありがとう。ありがとう。」

それぞれがまわりに助けてもらっていると思っているのです。
だから仲良くやれているのかもしれません。

車が出発した後、みんなが手に持っていたハンカチは
くしゃくしゃになっていました。

日本高速情報センター協同組合 代表理事 草野 崇

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