ちょっとコラム

ミルフィーユ

嫌いではないのに、
どうしても仲良くなれない相手はいませんか?

今日はそんな話です。

彼はどちらかというと無口なほうですが、
私の問いかけに対していつもにこやかに答えてくれます。

だけど、どうしても心の距離が縮まらないのです。
定期的に会っているのに。

ある日のこと。

彼との用件が終わった後、私の車で彼を送っていくことになりました。

私は内心とても不安でした。彼と何を話せばいいのかと。
私は不安をかき消すようにしゃべり続けました。

すると、彼が言いました。

「きみは詩や童話を書いているんだね。
実は僕も若い頃は小説を書いていたんだよ。
一時期は小説家を目指したこともあったけど
いろいろあって断念したけどね。
でも、今も小説の構想は浮かぶし、時期を見て、
また本格的に書こうと思っているんだよ。
お互い地道にやろうな」

私は自分を恥ずかしく思いました。
今まで彼のどこを見ていたのかと。

人はいろんな顔を持っています。
その顔はミルフィーユのように何層にも重なって
普段は奥まで見ることはできません。

しかし、感じたり嗅いだりすることはできる。

もしなかなか打ち解けることができない相手がいたら
目を閉じて、こう問いかけましょう。

その奥にあるのはどんな顔なんだい?

日本高速情報センター協同組合 代表理事 草野 崇

Instagram ― 言葉のお絵描き五七五七七
note ― かんたんで、みじかいお話
service ― お客様の課題解決

関連記事

  1. おばあちゃんは知っていた
  2. おかげさま
  3. 餅つきとクリスマス
  4. 吾輩は馬鹿である
  5. 全ては「個」の集まりである。
  6. 面倒くさいは宝箱
  7. お月様からの手紙
  8. ドラマはあるのかい?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

PAGE TOP