

何か新しいことを始めようと決意したとき、
私たちはつい自分の頭の中で計画を練ることが多いと思います。
しかし、自分の想像力の範囲内で選んだ選択肢は、
過去の経験の延長線上に過ぎず、
本当の意味で「新しい」とは言えないのかもしれません。
真に未知なる扉は、自分自身の内側ではなく、
意外にも外部からの「偶然」によってもたらされるものです。
例えば、自分とは全く無関係だと思えるような物事を、
たまたま人から頼まれたとします。
一見すると、それは単なる「面倒な雑務」に見えるかもしれません。
しかし、そのときこそが新しい世界へ踏み出す絶好のチャンスです。
自分一人では決して選ばなかった道へ、
偶然のチカラに引かれるままに進んでみてはいかがでしょうか。
その先で手にする未知の知見は、単なる思い出を超え、
将来のあなたにとってかけがえのない宝物になるはずです。
実際に、趣味で細々とアクセサリーを作っていた人が、
知人の熱烈な頼みで販売会を開き、
そこから新たなコミュニティが広がって本業に繋がったという例もあります。
あるいは、得意の英語を活かしてボランティア通訳を引き受けたことで、
全く別の業界からヘッドハンティングされることもあるでしょう。
こうした偶然を味方につけるには、日々の一つひとつの機微を感じ、
心のアンテナを広げておくことが欠かせません。
今とは別の構造を持つ仕事や活動に触れると、
相手の層が違い、求められる成果や評価基準が異なるため、
非常に新鮮な刺激を受けます。
いつもと違う場所から景色を眺めることで、
自分でも気づかなかった思考の癖や、
凝り固まった行動のパターンが浮き彫りになります。
他者からの予期せぬ提案に「はい」と答える勇気が、
停滞していた日常を鮮やかな物語へと変えてくれます。
自分という枠を飛び越えた先にこそ、
まだ見ぬ本当の新しい自分が待っているのです。
日本高速情報センター協同組合 代表理事 草野 崇