Vol.9
■わっ!危ない!こんなところに停車して!
2020年にNEXCO西日本管内で起きた死亡事故22件のうち、12件が停止車両を相手にした事故でした。
まさか!と耳を疑ってしまいますが、高速道路上で「停止している車両」や「人」に衝突する事故が後を絶ちません。
高速道路を走行中に車両の故障や燃料切れ等でやむを得ず路肩へ停車することがあります。
この場合は必ずハザードランプや発炎筒、停止表示器材(三角板)などで後続車に対する注意喚起を行い、ガードレールの外側(停止車両の後方)へ避難してください。停止車両より前方に避難すると、追突された車両がガードレールに激突してくることもあるからです。
一方で、トラブルではなく個人的な理由(携帯電話の通話や休憩等)で路肩に停車する人がいます。
これは非常に危険な行為です。高速道路は一般道と比べてストレス過多になり疲労が蓄積するため、意識レベルが低下するドライバーが多くなります。そのため前方の停車車両を認識しにくくなり、追突事故が発生する可能性が高くなるのです。
高速道路は安全かつ円滑な走行するため最低速度を維持する義務があり、駐停車は原則禁止されています。したがって停車車両への追突事故は停車車両にも過失が認められる可能性があります。
自らを守るためにも、そして後続車両を守るためにも「高速道路は一般道とは違う」ということを忘れてはいけません。
■運転中、突然の眠気が・・・。
日が少しずつ長くなり、季節は春へと向かっています。そんな時期に最も注意しなければならないのが「居眠り運転」です。交通事故でかなりの原因を占めるのが居眠り運転。一度襲ってきた眠気にはどんなことをしても勝てません。でも、絶対に寝てはいけない。そこで今回は居眠りの原因と対策について考えます。
【原因】
①睡眠不足
睡眠不足の原因は「夜更かし」から「睡眠障害」まで状況に違いがあります。
アメリカのある機関の調査によると睡眠時間に対する事故発生率は次のようになっているとのこと。
4時間以下:11.5倍/4~5時間:4.3倍/5~6時間:1.9倍/6~7時間~1.3倍
②過労運転
長時間労働や働きすぎで過労状態になると、意識レベルが低下し普段のような判断ができない場合があります。
③生活習慣
今は昔と違い生活スタイルが多様化しています。主に生活リズムの乱れや昼夜逆転、運動不足等が挙げられます。
④疾病や薬
原因1とも関連していますが、睡眠時無呼吸症候群や睡眠不足症候群等、治療が必要なケースもあります。また、治療薬の中に眠気を引き起こす成分が含まれているものもあります。
⑤運転する時間帯
時間帯別では、早朝の午前3~4時と午後3~4時に居眠り事故が多発しています。 逆に就寝時間の2~4時間前は「睡眠禁止帯」と呼ばれ、眠気が少ない時間帯です。
【対策】
①仮眠
10~15分程度の仮眠でも眠気が取れて快適な運転ができます。
②カフェインを摂る
起きている時間に比例して脳に睡眠物質がたまります。カフェインはこの睡眠物質の働きをブロックします。カフェインを摂ってから効果が出るまで15~30分のタイムラグがあるので早めの対応が大切です。
③同乗者と会話する
人と会話は眠気に有効な方法です。しかし、携帯電話で話をすることは禁止です。
④車外の空気を吸う・体を冷やす
交感神経を刺激すると目が覚めてきます。窓を開け換気して室温を少し下げたり、冷たい水で顔を洗ったりすることが有効です。
⑤明るい光を浴びる・体を動かす
昼間なら日光を浴びる。夜ならコンビニエンスストアやサービスエリアに立ち寄ってみましょう。特に青い光が効果的です。リズム運動は脳を目覚めさせセロトニン神経を活性化させます。
⑥香りをかぐ
ペパーミントやレモン、ローズマリー、ユーカリ、ハッカの香りは眠気覚ましに効果的です。
⑦居眠り運転防止グッズ
眠気が襲ってきたらセンサーで察知して、アラームを鳴らす機能などのグッズがあります。
しかし、あくまでも休憩や仮眠の合図として使用してください。