Vol.7
『面倒くさい』 『出さなくても危なくないし事故にならない』 『ウインカーを出すのがカッコ悪い』 右左折時や車線変更時にウインカーを出さなかったり、出すのが遅すぎたりする車が見られます。
ウインカーの役割
ウインカーは周囲の車に自分の車のこれからの行動を知らせる重要な事前合図です。道路上は多くの車が高速で走行している危険な環境です。ドライバーはウインカーを確認してそれに応じた運転をすることで交通安全が保たれているのです。 しかし、ウインカーの単純な合図で伝えられるメッセージには限界があるため、ウインカーを出すタイミングが非常に重要になります。そのため、それを怠った場合には「合図不履行違反」で罰せられることになります。
ウインカーを出すタイミング
「交差点の30m手前」「進路変更する3秒前」と道路交通法施行令第21条に掲載されています。 車は速度を変えながら動き続けています。時速40kmで走行していても3秒間で30m以上もの距離を移動しているため、「30m手前だ」と気づいてからウインカーを出すのでは遅いのです。ウインカーの合図は速度や交通状況、道路環境に応じて早めに出さなければなりません。
右折レーンや左折レーンがある場合のウインカーのタイミング
右折レーンや左折レーンに入る前に進路変更時の手順を踏む必要があります。
その後、右左折時の手順を踏むようにしてください。
ウインカーは早いほど良いのか?
早めにウインカーを出す必要はありますが、タイミングが早すぎると周囲のドライバーに意思が伝わらず、逆に混乱させてしまいます。この場合、合図するべきでない場所で合図を出したということで「合図制限違反」という罰則が適用されます。
進路変更時の手順とウインカーのタイミング
進路変更(車線変更)をする際は次の手順となります。
①まず進路変更ができるかどうか周囲の安全を確認
②可能だと判断できた場合にウインカーを出す
③ウインカーを出して3秒間の間に再度周りの安全確認 このときの③の安全確認の時間がウインカーのタイミングとなり、安全に車線変更をできるかの判断をしなければなりません。状況によっては3秒以上でもウインカーを出し続ける必要があります。
このときの③の安全確認の時間がウインカーのタイミングとなり、安全に車線変更をできるかの判断をしなければなりません。状況によっては3秒以上でもウインカーを出し続ける必要があります。
右左折時の手順とウインカーのタイミング
交差点手前の右左折の際は次の手順となります。
①周囲の安全を確認し、あらかじめ曲がる方向へ車を寄せて(進路変更して)徐行
②交差点の30m手前で進路変更は終わらせておく
③交差点手前では進路変更の約3秒+30m分のウインカーを出す
距離に換算すれば、交差点手前60~70mほどの距離が安全なウインカーのタイミングとなります。
ウインカーとブレーキの順序は?
多くの方がブレーキを踏んで減速してからウインカーを出しています。この場合、後続車や周囲の車はその車が止まるのか曲がるのかを判断できません。したがって、ウインカーを出してからのブレーキ操作が正しい順序です。
ウインカーを出さないとどうなる?
ウインカーを出さずに進路変更や右左折をした場合には「合図不履行違反」となります。また、ウインカーを出さなくてもいい場所でウインカーを出した場合には「合図制限違反」となります。
安全な交通はウインカーによる意思疎通から
すべてのドライバーの意思疎通こそが「ウインカーの役割」です。地域によってウインカーの使い方が違ったり、ウインカーを出す判断が難しい場合もあります。しかし、重要なのはいかなる状況でも車が安全に走行できることです。
多くの車が安全に走行できているのは交通ルールをドライバーが注意力を持って守っているからです。ウインカーはそれを支える重要なルールのひとつです。 すべてのドライバーの意識が変われば悲惨な交通事故はもっと減らせるのではないでしょうか。