学生の頃、Sという友人がいました。
どちらかというと「不真面目」な男でした。
授業にはほとんど出席せず、いつも行方不明。
しかも服装はボロボロで、酔ったら服を・・・。
なのに、みんなは彼のことを「大先生」と呼び、とても慕っていました。
私も彼に会えるのを楽しみにしていました。
「今日は会えるだろうか、明日こそは会えるだろうか」と。
念願叶って会えたら何をするのかと言うと、ただ語らうだけ。
当時、私は写真を学んでいましたので
自分が撮影している写真のテーマや読んだ本についての感想などです。
悩み事の相談やアドバイスを求めたりはしません。
ただ一緒の時間を過ごしたかったのでした。
なぜ、みんなは彼のことをそこまで思ったのか。
彼は自分の欲や見たくない部分を隠そうとせず、
ありのままを認めて、しっかりと向き合っていたからだと思います。
こんな劣等感を持っている。
今までこんなことから逃げてきた。
今もこんなことから逃げている。
そして、見たくない現実を直視して、どうにかしようともがいている。
やっぱり、ガムシャラなのがカッコいい。
日本高速情報センター協同組合 代表理事 草野 崇
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